以前、日本でファッションブロガーが表に出ない理由として、
国民性や金銭的/時間的問題などを述べましたが、もう一つ有力かなと思うのを考えてみました。
先に結論を言えば、
原因は、「日本のブログの形」です。
そのためには、まず「ブログの形」と、「検索エンジンのしくみ」を説明する必要があります。
(※検索エンジンのしくみはくわしく説明し始めるとかなり長くなるので、大まかに説明します。)
ブログの形
日本で、ブログを書こうと思ったときにまずどこでブログを書こうかと言うことを考えると思います。
なぜなら、「ブログは無料」というものが頭にあるため
無料のブルグサービスを使うのが普通だからです。
お金をかけずにブログをするなら
日本だと
アメーバブログ(http://ameblo.jp/ユーザー名/)
Livedoorブログ(http://blog.livedoor.jp/ユーザー名/)
Yahooブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/ユーザー名/)
CROOZブログ(http://blog.crooz.jp/ユーザー名/)
ZOZOPEOPLE(http://people.zozo.jp/ユーザー名/)
他にもありますが、ほとんどがこのどれかになるのではと思います。
その中でも多くが、アメブロに流れるのではと思います。
アメブロは更新もしやすいですし、スマホからも更新できる手軽さがあります。
海外(特に欧米)だと
Googleの運営するBlogger(http://ユーザー名.blogspot.com)
もしくは、ブログ形式のホームページを作る世界的に有名なCMSでもある
ワードプレス(http://ユーザー名.wordpress.com)などになるのではと思います。
もちろん、自分でお金を払って、
独自ドメイン(http://ある程度自由に取得)を取得して、ブログを運営することも可能です。
検索エンジンのしくみ
日本で「検索」といえば、思い浮かべるのはYahoo!とGoogleです。
しかし、Yahoo!は2010年の7月にGoogleの検索技術を採用すると発表し、同年11月からずっとGoogleの検索エンジンを利用しています。
表示の内容はYahoo!とGoogleで差異はありますが、基本的に利用しているデータ(インデックスデータ)とランキング(アルゴリズム)は同じです。
そして、DocomoやAuなどの携帯キャリアの検索もGoogleを採用しています。
2013年には、Google以外にNaver(ネイバー:現在「LINE(ライン)」や「Naverまとめ」で有名)が自社開発の検索エンジンを使っていましたが
2013年12月にNaver(ネイバー)の国内検索が終了し、
現在、日本国内の検索エンジンは事実上「Google」のみなのです。
そのため、Googleにインデックスされなければ(検索結果に表示されなければ)
FacebookやTwiterなどで誰かに紹介されない限り、自分のブログやサイトのページに新しく来てもらうのはほぼ皆無なわけです。
しかし、悲しいことに
検索のロボット(クローラー)は、
下の絵のように全てのウェブページを検索用に持って行ってくれるわけではありません。
(ウェブ上に数えきれない数のページがあるので、それをすべて持っていくことはできないのです。)
サイト内のページ数が少なかったり、有名なサイト(ニュースサイト)やブログであれば
重要度が高いのですべて持ってくれることも多々ありますが、
サイト内にページが多ければその一部だけを持っていくことになります。
(※冒頭でも言ったように詳しく話すとこれだけで数記事かけるのでかなりざっくり説明してます。詳しく聞きたい方は言って下さい。)
検索エンジンにとってのサイトとは
で、ここで検索エンジンにとっての「サイト」ですが
人間が目でみて判断するのと同じようには、検索エンジンのロボットは判断してくれません。
「形」でしか判断できないからです。
すべてがそうと言うわけではないのですが、
基本的に、「http://●●.▲▲/」これがサイトです。
で、日本のブログと海外のブログの形を見てみると、一つのサイトは
日本は、「http://ブログサービス名/」(←ユーザ名毎ではありません。)
比べて、海外のBloggerやワードプレスなどは、「http://ユーザー名.▲▲/」です。
日本の場合は、マンションみたいな感じで、一つのサイト(住所)に多くのブロガーが入ってます。
海外の場合は、ちゃんと一軒家みたいな感じで、一つのサイトに一人のブロガーです。
ひとつのサイトから10記事だけデータ用に持っていくとしたら
日本のだと、ブログサービスの全てのブロガーの全ての記事(数十/百万記事以上)の中から10記事、
海外だと、自分のブログの中から10記事を持っていくことになります。
(※かなり大袈裟に説明していますが、理屈としてはこういうことです。)
なので、下図のように、自分のブログの記事を検索の候補(データ)に入れるのすら難しい状態。
多くは、ブログサービスの中でも、ランキングが上の方の人(=知名度のある有名人)になるわけです。
そして、たとえ入ったとしても、
ここから、検索順位が決められるわけです。
(同じサイトやブログの記事ばかりで検索結果が埋め尽くされるのを防ぐためにも)
大体、検索結果のページ(10ページのリスト)のうち一つのサイトから表示される数は多くて2-3ページだけです。
検索結果ページ3ページ目(1位~30位まで)で、多くても同じブログサービスを使っている記事10ページ以下です。
自分のページ(ブログ)に来てもらうには
要するに、たとえばアメブロをしているファッションブロガーがいて、
自分の記事を検索結果に出すには、
①まず、更新をたくさんすることで、アメブロの新着一覧に載るようにする。
(検索クローラーはそういうところから持っていきます。)
②例えば、「今日のコーディネート」で検索に載せるなら、
アメブロで活躍する芸能人やアイドル、著名人を含め、アメブロをしている全てのブロガーのすべての記事の中で、該当キーワードに関連した上位6記事の重要性を持つページだと思わせる。
これでようやく検索結果の目に入る部分に露出されるので
一日100人が「今日のコーディネート」で検索してくれたとして、
30位までのどこかにある自分のページのリンクをクリックしてくれれば、ようやく見てもらえるわけです。
大変。
結局「自分のブログ名」や「名前」で検索してくる「知ってる人しか知らないブログ」になり
どこかで誰かに紹介してもらうことがない限り、
アメブロ内(新着一覧など)からしか、新たな訪問者は来ないということになります。
まとめ
ブログをしていて、もっともモチベーションになるのは、読んでくれてる人がいた時です。
そのため、読んでくれている人が増えないと、基本的に続きません。
(ま、日記なら続くかもしれませんが。)
日本の無料ブログサービスは、基本的に外部からの流入は有名にならないと増えません。
他はほとんどが、その「ブログ内検索」なのでは…
(アメブロならアメブロがサイトにないに設置してるブログ検索)
純粋なブロガーは、流入が増え、知ってる人が増え、認知度が上がるから、有名になるわけです。
有名だから流入が多いのは、他で露出している(名前で検索する人の多い)芸能人や著名人だけです。
なので、一般の人の通常の流れは
「ブログを頑張って続ける」⇒「徐々に流入が増える/ファンが増える」⇒「有名になる」⇒「続く」
です。
日本の有名ブロガーの多くは
「すでに雑誌やテレビなどのほかメディアで有名」⇒「ファンが増える」⇒「Twitterみたいな一言でも見てくれる」⇒「メディアの露出が減る」⇒「ファンが減る」⇒「やめる」
ですね。
ま、日本は実際のところ下記の流れかな。
「有名人が書く」⇒「ブログを提供しているサイト内にたくさん人がくる」⇒「ブログサービス提供会社が儲かる」⇒「ブログを書く人が増える」⇒「サイト内の総ページ数が増える」⇒「ブログサービス提供会社が儲かる」
要するに、日本はBlogger(blogspot)やwordpressよりも、
使い勝手のいい国内産のブログ(アメブロなど)を使うから
ブロガーからすると、書いても大してファンが増えない(冷やかしばかりとか?)から続かないし、
見つけるほうからすると、有名人しか見つけられないサービスをブロガーが使ってるから見つからないわけです。
ウェブ上に書いてるのに「非公開のページ(限定公開)」とか…
日本だけなんじゃないかと。