先に話しておくと、今回は長めです。
かなり長めです。
今、海外(欧米)でのファッションブロガーがどれほど稼いでいるのかや、
今後、このファッションブロガーというのはどうなるのかなどを書いている記事を見つけたので
翻訳をしてみました。
記事も2013年8月20日(今週)書かれたもので、鮮度もいいので。
日本では、2011年くらいに大きなブーム(この時日本にいませんでしたが…)があって、
その後、下火になってくすぶってる感のある「ファッションブロガー」というキーワードですが
これを読んでいると、まだまだブロガー旋風は衰えないと思ってしまいます。
(逆に…というか、あとは読んでみてください。)
それでは、どうぞ。
How Personal Style Bloggers Are Raking in Millions
オンライン上の日記や趣味の範囲と思われていた個人ブログ。それが、今や大きなビジネスへとなっています。
強いリーダーシップを発揮するだけでなく、自らがセレブへと成り得ることも。
中には、書籍を出版したり、広告塔として登場したり、(ブランドのなどの)コレクションとコラボレーションしたり、テレビ番組の司会を務めることもあります。
彼女たちは今、アフィリエイト・プログラムを利用し、アイテムやブランドを自身のサイトで紹介することで、大金を手に入れることが出来ているのです。
スコット・シューマン(Scott Schuman)氏が、自身のブログで“7桁台(日本円で億単位)”の収入を得ているというと、信じない人もいるかもしれませんが、それほど信じ難いことではなくなっているのが現在なのです。
写真:スコット・シューマン氏
それでは、ブロガーは一体今どれほど稼いでいるのでしょうか?
今回少し深くまで調べてみることにしました。
そして、簡潔に答えるとすれば、「驚くほど多く」です。
ブロガー(特に個人のコーディネートを載せているパーソナル・スタイル・ブロガーですが)の収入がまるでロケットのように高騰した理由の一つに、アフィリエイト・リンク・プログラムの発達が挙げられます。
知らない方に説明すると、「アフィリエイト」とは、ブロガーが紹介・お薦めした商品を通して、コミッション(報酬)を得るという仕組みのことを言います。
アフィリエイトリンク(大抵、見た目は通常のリンクと変わりません)を、あなたがクリックすると、プログラムが「クッキー(cookie)」をあなたのコンピューターに残します。
そして、あなたがそのリンク先のサイトで何か(ブロガーの紹介したものと同じ商品でないとしても)を購入することで、紹介者(であるブロガー)に報酬が支払われます。
ほぼすべての大手販売店(「ShopBop」「Nordstrom」「Barneys」etc)と提携している「RewardStyle」などのアフィリエイトサービスを利用することで、ブロガーはほぼすべての(紹介用)アイテムを、見付ける出すことが出来るのです。
簡潔に言えば、「商品を紹介する」というだけです。
それだけで、お金が稼げるのです。
(事実、私たち(fashionista.com)もアフィリエイトリンクプログラムを使っていますし、このサービスは「Vogue.com」や「WhoWhatWear」「Into the Gloss」など、他大手ファッションサイトも利用しています。)
例えば、30個の商品をあるパーソナルスタイルブロガーが紹介したとしましょう。
すると、それだけで、まとまった収入となることがあるのです。
写真:チェルシー・カイン氏(右)
「RewardStyle」でアカウント・コンサルタントを務めるチェルシー・カイン氏(Chelsea Cain)は、
「第4四半期において、トップスタイルブロガーはrewardStyleで月50,000ドル(約500万円)を稼いでいる。」と説明しています。
また、「小売業界と同様に、パフォーマンスには時期による変動が伴いますが。」と補足を加えています
カイン氏の抱えるクライアントの中で、その“トップスタイルブロガー”が何%程度存在するのか、彼女はそれを言及することを避けていましたが、それでも、世界中に1万以上ものパブリッシャー(サイト運営者やブロガーなど)を抱える「RewardStyle」です。
たとえ低いパーセンテージであっても、それが数百のブロガーとなることが容易に想像がつくのではないでしょうか。
写真:ティナ・クレイグ氏
(「Bag Snob」「Jewel Snob」「Shoe Snob」などの様々なブログから成る)「Snob Essentials」を運営するティナ・クレイグ(Tina Craig)氏は、アフィリエイトリンクが今でも彼女の収入の多くを占めるということを話してくれました。
「通常、ブランドとのパートナー契約の場合は、仕事をした際に一度だけと言うのに比べ、アフィリエイト収入は)コンスタント(絶えず)に入ってくる収入ですしね。」
また、アフィリエイトリンクであれば、すでに読者がいるのであれば、特に別途なにかをする必要がないことも魅力の一つだと言います。
「最近だと、夜中に、中東の方が46,000ドル(約460万円)のハンドバッグを購入されていました。(私たちが)寝ている間にも、こうやって稼げているということです。」
クレイグ氏たちは、これからもこの状態は続くだろうとしています。
また、カイン氏によると、「RewardStyle」の売り上げは今年3桁成長になっているとのことです。
「私どものファッション/ライフスタイル/ビューティー関連における今年度の売り上げは、175,000,000ドル(約175億円)になると予想している。」
とメールの中でカイン氏は説明しています。
2013年7月には、「RewardStyle」において、14,000,000ドル(約14億円)以上の売り上げがブロガーたちによってもたらされたとしています。
そして、売り上げが約4,000,000ドル(約4億円)だった2012年7月と比較すると、(ブロガーが)その3倍以上の売り上げに影響していることがわかります。
言い換えれば、それだけ、ブロガーがアフィリエイトリンクで得ている収入も増加しているということです。
また、(アフィリエイトだけでなく)他にも、ブランドとのパートナー契約、イベントのホスト役、宣伝活動、コラボレーションなどがあります。
「たくさんのユーザー(読者)がつき、卓越した個性を持つブロガーは、ブランドとのパートナー契約により多くの収入を得ることが可能となります。」
DBA(デジタル・ブランド・アーキテクツ)社でブランド開発部門バイスプレジデントのヴァネッサ・フラハティ(Vanessa Flaherty)氏はこう話します。
フラハティ氏によると、ブロガーは
小規模で一度きりのイベントなど(パーティーでのホスト役や、記事型広告を書いたり)であれば2000ドル(約20万円)程度、
また、長期のパートナー契約の場合(たとえば、1年を通してのアンバサダー(広告/広報大使)や、大規模なフルスケールの広告キャンペーンなど)は、6桁台(日本円で約数千万円単位)になることもあるとのこと言います。
もちろん、すべてのブロガーがこういった単位のお金を手にするわけではありません。
「6桁台となるのは、とても稀ですが、実際にあるというのも確かです。」(フラハティ氏)
DBA社のクライアント(顧客)の1/3が、そういった額を手にしているのではないかと、フラハティ氏は考えてます。
「この業界の相場というのをお話することは出来ないのですが」(フラハティ氏)としていますが、DBA社のクライアント(「Glamourai」のケリー・フラメル氏や、「Song og Style」のエイミー・ソング氏など)は、他のブロガーの平均よりも、かなり高額の収入を得ている考えたとしても、あながち間違いではないかもしれません。
写真:エイミー・ソング氏(左)/ケリー・フラメル氏(右)
フラハティ氏によると、6桁台のパートナー契約を結ぶのは「毎月、膨大なページビューを稼ぐ人(サイト)」だと、は話す一方で
「多くのトラフィック(サイトへのアクセス)が、そのまま売り上げに結び付くかというと、それほどシンプルなものではないのですが。」と言います。
「ある特定のジャンルにおいて、多くの支持者や影響力を持ち、他よりも、高確率で需要が見込める人。
(ブランドの認知度を上げることを目標としているのではなく)直接的な売り上げを求めるブランドにとっては、読者は少なくとも、それが購買意欲の高いスーパー・アクティブな読者を持つブロガーであれば、そのほうがよほど利益へとつながるのですから。」(フラハティ氏)
「(まだ)こういったことは、ほんのごく一部でしか起こっていないのですが、このチャンスというのは、だんだん大きくなってきていますし、速くもなってきています。」(フラハティ氏)
ブロガーとパートナー契約を結びたいと考えるブランドから、何百通もの連絡があると彼女は言います。
ブロガーの力が大きくなればなるほど、その数が増えるのは疑いの余地もないことなのです。
「こういったことは、今後さらに増えていくと、そして、無くなるということは、恐らくないだろうと私は考えています。」(フラハティ氏)
しかし、彼女も、ブログ業界は今やすでに「飽和状態だ」と考えています。
すでに、何十万(何百万?)という数のブロガーがすでにこの世には存在しています。
その大部分は、サイト(ブログ)だけで生きていくことは出来ていないでしょう。
しかし、「その中で上へと上がっていく人たちがいる」とフラハティ氏は言います。
そういった人たちには、リッチな生活が待っていると。
高い報酬が得られるアフィリエイト・リンク・プログラムや、おいしいパートナー契約などと並び、次は、「ブロガーは、今後自分たちの手による商品であったり、テレビ番組であったり、書籍と言った、自身のブランドへと発展していくでしょう。」と、フラハティ氏は考えています。
これは、デザイン面でのコラボレーションやパートナー契約と言ったものではなく、セレブスタイルを提案するクロージング(衣類)ラインのライセンス契約などを指します。
そして、それは、すでに現実として動き出しているのです。
DBA社のクライアント(顧客)のうち3ブロガーは、すでに高額のライセンス契約を結んでいると言います。
「Bag Snob(「Snob Essentials」へと変更)」、「Mrs. Lilien」の2つは、オルセン姉妹や、サルマ・ハエック(Salma Hayek)、Jaguarなどの高額ライセンスを多数保有するライセンスエージェンシーの「Beanstalk Group(ビーンスターク・グループ)」と、すでにライセンス契約が結ばれています。
そして、フードブログの「Spoon Fork Bacon」もまた、「Brand Central LLC」社とライセンス契約を結んでいます。
DBA社では、近々新しいライセンスモデルを発表するとのことで、これにより今後さらに多くのブロガーやブランドの収益化を促進するとしています。
「以前からあるただの契約モデルと言うよりも、ブランドパートナーやベンチャーに近いかもしれません。それも、様々な製造工程にまで及ぶような。」(フラハティ氏)
そして、もともとブロガーの持っていた収入源を忘れてはいけません。
そう、「広告」です。
写真:ティナ・クレイグ氏(左)/ケリー・クック氏(右)
クレイグ氏は、彼女のビジネスパートナーでもあるケリー・クック(Kelly Cook)氏と共に、互いのバッグに対する執着心とも言える思いを綴るオンライン・ジャーナルとして、ブログをスタート。スタート当初は、彼女たちの趣味に使う費用を少しでも捻出出来ればと言う思いから「Googleの広告を載せていた」と言います。
現在、2人(主にクック氏)が、広告スペースを「Net-a-Porter」などの大手企業に販売することで、大きな利益を生み出しています。
もし、トップブロガーが、月に50,000ドル(約500万円)近くの売り上げに加え、ブランドとのパートナー契約で6桁台(数千万円単位)の収入、他にも数千ドル(数十万円)の広告枠。
そう考えると、年間収益として「ミリオン(1億円)を稼ぐ」というのも容易に想像できることではないでしょうか?もちろん、それ以上の可能性も。
他の多くのビジネスと違い、ブロガーは事実上まさに青天井のようなのです。
クレイグ氏は、自身のサイトをドメイン費用のみの20ドル(約2000円)でスタートしたと話します。
「USC(南カリフォルニア大学)のビジネススクールで、理想的なビジネスは、低費用で、在庫を持たないもの、最小限の労働で回るもの、人間が実働をしなくても利益を生めるもの(私たちは、寝ていてもアフィリエイトでの収入を得ることが出来ます。)と教わりました。
そして、動きやすいポータブルなモデル(私たちは、どこからでも仕事が出来ます)で、グローバル市場でも通用するもの。
そういった意味で、ブログというのは完璧と言えるビジネスなんです。」(クレイグ氏)
今や、クレイグ氏のかける費用は20ドルから上昇していいますが、
それでも、「多くのビジネスと比べると、今でもコストはとても低い」と言います。
ブロガーには、これだけのローコストでも、1億もの収益が転がりこむことがあるのです。
これを聞いて、みなさんも、ブログを始めてみようと思いますか?
椅子に座って、お金が入ってくるのを眺めてみますか?
もう少し待ってください。
確かに、たくさんのお金がブログから生まれます。
しかし、ブロガーとして成功を収めるのは簡単なように見えるかもしれませんが、実際はすごく大変なことでもあるのです。
ブランドは、ブロガーを求めているのではありません。
彼らは、読者を求めているのです。
もし、あなたのブログが、ブランドの望む相当数のユーザー(読者)やアクティブなユーザー、もしくは、ファンを抱えていないのであれば、マネタイズ(収益化)を考えるのはやめておいたほうがいいでしょう。
まずは、読者を増やしましょう。
特に、これだけ、混みあった飽和状態のマーケットでは、簡単なことではありません。
「もし、人々に自分をアピールしたいのであれば、他とは違う、ユニークで明確な方向性や視点が求められます。例えそれが、ニッチなジャンルであったとしてもです。」(フラハティ氏)
小規模であっても、常連となったユーザーは、パワフルです。
「ある小さな分野において、少ないユーザー数でも質の高いユーザーを抱えるブロガーが、ページビューでは高い数値を誇り、ソーシャルメディアにおいても多数のフォロワーを抱えるブロガーよりも、多く稼ぐというのも今までに見てきました。」と、カイン氏は話します。
ニッチな分野は、特定の分野のおけるターゲットを求める広告主にとって、とても魅力的に感じるのです。
「これからブロガーとして上を目指す方へ、私かアドバイスをするなら、“金儲けのためや、有名になりたいという理由では始めるな”ということです。そうなると、ゴール(目標)が変わってきます。」
そう、クレイグ氏は話します。
「(クックも私も)いつも言うのが、もしティーンエイジャー(10代のころ)の愛のようなものでないのであれば、もしそれ(ブログのテーマとなること)に夢中で、あるだけで幸せで、周りが見えなくなるというくらいのものでなければ、それについてのブログは書くなと言うことです。なぜなら、面白くない退屈な気持ちで書けば、それは読者にも伝わるからです。」
もし、ある時、ふとブロガーとして、芽が出たと感じたのなら、ビジネスコースの授業を一度取ってみることを勧めるとクレイグ氏は言います。
「ビジネス面で、自身のいるマーケット(市場)を理解することに大変役立ちますし、長く続く最高のブログというのは、それこそ他のビジネスと同様に運営されているのです。」
もし、次のレンドラ・メディーン氏(「Man Repeller」のブロガー)や、ブライアン・ボーイ氏(「Bryanboy」のブロガー)、スージー・バブル氏(「Style Bubble」のブロガー)を夢見ているのであれば、本当に情熱を持てるトピックを選び、鋭い視点やあなた独自の方法で、嘘偽りのない真実をシェアしていってください。
そうでないのであれば、一度止まって考え直してみるのもいいかもしれません。
写真:左からレンドラ・メディーン氏、ブライアン・ボーイ氏、スージー・バブル氏
原文:How Personal Style Bloggers Are Raking in Millions
By: HAYLEY PHELAN
長い間、お付き合いいただき、本日もありがとうございました。
今回読んで(翻訳して)いて、ブランドやショップ(小売り)など実際に販売している(お金を生み出す)ところの使う広告費用がどこで使われるかということだと思いました。
雑誌など既存メディアへの広告出稿でういた(?)広告費用という名のお金が、次の媒体へと流れ始めてるのだと思います。
勝手な予想ですが、雑誌が減れば、その分広告費は、おのずと別の場所に流れるのではないかと思います。
それが、紙(新聞や雑誌、チラシ)などからネット(サイトやブログなど)に流れてきているのかなと。
今まだ日本でそれほど取りあげられることの多くない(一般に浸透していないという意味)ファッションブロガーだからこそ、
日本では今が(もしくはアジア)でのファッションブロガーの充電期間なのかなと思います。
実際、日本だと自分を出すパーソナルスタイルブロガーよりも
ファッションブロガーの中でも、「ファッション情報(ニュース)発信系」や「うんちく系」、「スナップ系」、「よくわからない系」が多いので
ファッションに疎い私からすると、見て楽しめる「パーソナルスタイルブロガー」がもっとたくさん出てきてくれることを願っています。