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欧米と日本(+中韓)のネットショップの違いから見るファッションブロガーの影響力


日本のネット通販の形がなんだか中国・韓国と似ていることに気が付いたので

「日中韓のネット通販サイト」と、「欧米のサイト」、そして、「ブロガーの影響力」などから、
日中韓よりも、欧米でファッションブロガーがなぜ活躍しているのかと言うのを考えてみました。

まず最初に

前提としてネット通販をする際に、ネットユーザーが必ず通る道(サイト)があります。
それが「検索サイト」です。
(このブログを普段から読んでる人は「また、その話?」となりそうですが、いつもとは違うのでご安心を。)

まず、多くの国では、Google検索なので何か欲しいものがある場合、ウェブ上からキーワードを入れて検索(例えば「Gucciのバッグ」や「花柄のマキシワンピース 4000円以下」など)をします。

Googleを普段から使っているネットユーザーはご存知の通り、(最初は)検索するだけのサイトです。
そのため、

検索(Google)のトップページ表示

アイテム名などで検索

ショップ(の商品ページ)が出てくる

各ショップ

と言う流れです。

日本・中国・韓国のネット通販

しかし、日本の場合は(2013年2月のデータですが)約60%の人たちが検索の際にYahoo!を使っています。
日本の検索エンジンシェア(All About)
Yahoo!は検索サイトというよりも
ポータル(様々な情報へのアクセスの窓口)サイトですし、「検索」はその一部となっています。

そのため、商品を検索したい場合、

検索(Yahoo!)のトップページ

そこにショッピングポータルサイト(Yahoo!ショッピング)があるので、検索はYahoo!(トップページのサイドにある「ショッピング」

ショッピングのカテゴリーに入ってからYahoo!ショッピング内を検索する感じになります。

もしくは、

Yahoo!検索で「楽天」を検索

楽天市場から調べる

要するに、
検索から商品にたどり着くのではなく、また、特定のショップから商品を選ぶのでもなく
最初から、モール内で検索することになります。

これは、実は韓国でも似ていて
日本国内のYahoo!同様に、韓国ではネットユーザーの70%~80%はNaver(ネイバー)検索を使っており、
これもまた日本のYahoo!ショッピング同様に、Naverにもそのままネットショップへの通り道(リンク)があります。

そして、中国では、
ネットユーザーの60%以上は百度(Baidu:バイドゥ)検索を使っていますが
こちらは日本の「楽天市場」のように、
ネットショップを集約したモールと言える「淘宝(タオバオ)」というサイトがあり
2011年のデータでは、中国ネットショッピングシェアの9割がこのモールを利用しています。

要するに、
ウェブの入り口でもある検索がポータル化していると、そのカテゴリー内で商品検索
もしくは、
ネットショップの多くが集合している巨大モールがあるとそこを利用して商品検索
となります。

そのため、そのポータルのカテゴリーやモール以外でショップを作っても
よほど認知度が高いか、広告費を出せる大手でない限り
自国内では新規の集客が難しい可能性が高く、結局どちらかに属すことが多くなります。

すると、余計にユーザーはそこにしか来なくなる。(良くも悪くもこういった循環を生みます。)

国内のショップを国内のモールやポータルが取り込み、国内の人に向けてのみ展開していることになります。

日本特有の「村社会」みたいで、村から出ていくと生きていくのが大変で
多くの人はこの村から出ることをしません。

そのため
、「どこで買ったの?」という質問の答えが
実際はモール内のショップから買ったのにもかかわらず、
「○○(←ショップ名)」ではなく、「楽天で買った」となるわけです。

海外のネット通販

上記のアジアの3国と違い、欧米では
ネットユーザーのほとんどが利用する巨大モールと言うものがあまり存在しないため、
多くがGoogle検索したり、お目当ての商品は誰かの紹介からショップを見付けるなり、
自分の好きなネットショップに何度も通って(チェックする)ということをしているように思います。

そのため、海外(欧米)の場合は、ポータルサイトやモール内を検索するというよりも、
欲しいものが売ってるサイトを見つけて、そこに住みつく(ショップのコアユーザー)となることが多いように思います。

上記の「どこで買ったの?」の質問に対しては
「Net-A-Porterで買った」とか「SHOPBOPで買った」とショップで買ったとなるわけです。

また、海外(ここでは欧米)の場合、
国内での販売だけでなく、国外も視野に入れた販売をしているように思います。

そう思う理由は、英語圏のアメリカ・イギリス以外の国々(スペインイタリア、フランス、ブラジルなど)のネットショップの場合、
その多くが英語のページ(切り替え)がありますし、
逆に英語圏であれば、(アメリカの場合は国内のユーザーのことも考えてだと思いますが)スペイン語など他言語に対応しています。
大手であれば、アクセスしてきた地域(IPアドレス)によって価格表記を自動で変更しています。
そのため、日本からだとJPY(日本円)表記のところもよく目にします。

もちろんEU圏だからというのもあるかもしれませんが、
言語設定だけでなく、配送先(Shipping)リストにアメリカやアジアが入っているのであれば、
自国外を視野に入れているのは明らかです。

また、国際送料も含め、まだ数千円の送料がかかるサイトのほうが多かったりもしますが
日本(の自宅)を含むアジア圏への送料が「無料」のサイトは、ちょこちょこあります。
きちんと配送先となる国への手続きを考慮に入れて、運営をしているということです。
(海外ショップの日本までの送料は「◆海外ネットショップ一覧(日本への配送可能/不可)◆」を参照してください。)

ターゲットとなる国が自国だけではない(ターゲットは世界の大部分)ため、
世界的に影響力のあるブロガーとコラボ、そのブロガーの持つ影響力を存分に発揮でき
国外に住むファンに対しても、大きなの訴求効果が見込めるということです。

そういう意味で、毎年1月にブロガーを集めて開かれるネットショップのLUISAVIAROMA(ルイサヴィアローマ)(ルイサヴィアローマ)主催のイベント「FIRENZE4EVER(フィレンツェフォーエバー)」はその最たるものなのかなと思います。

要するに海外のショップは、

①ユーザー側は、ショップに対しての帰属性が高い(通常はお気に入りの数ショップをチェックする感じ)ため、ショップの認知度(信頼度)が向上すれば、多くの顧客が再度訪れてくれる。

②ショップ側は、国内だけでなく、国外を視野に入れた商品紹介(英語を使ったサイト展開)をしているため、世界的なブロガーを起用しても、それだけのメリット(利益)が見込める。

ということです。

海外のショップとブロガーの関係

国内のみをターゲットとしている場合、
たとえば、日本語サイトで日本のみをターゲットとしている場合は、
海外のブロガーとコラボをしても、結局はモデル(タレント)事務所にいる
「国内ハーフモデルや外国人モデル」などと同等(もしくは認知度がない分それ以下)となるわけで
ブロガーの強みである何万という読者やフォロワーへの訴求力はほとんど発揮されません。

なぜなら、ターゲット(顧客)は日本人のみだからです。
日本語以外(他言語)の人は対象ではありません。
そして、日本の村でもある「楽天」や「Yahoo!ショッピング」は基本的にすべて日本語ですし
もちろん、その中に構えるショップ群も、もちろん日本語(表記)です。

日本で日本人をターゲットに売るのに、他言語は全く必要ないからです。

そして、そのショップやブランドを海外ブロガーが紹介したとしても、
また、そのブロガーが抱えている数万のファンの多くは海外にいるわけです。
海外に住む外国人(ブロガーの読者)が英語で検索して、検索結果に日本語で書かれた日本のサイトが出ることはありません

それに、たとえ百歩譲ってコピペで日本語で検索をして、検索結果に商品ページ(ブランド/ショップのサイト)が出たとしても
私たちがGoogle翻訳があってもアラビア語のサイトで買い物をしないのと同じで、
英語圏の人などが翻訳機能を使って、頑張って日本語のサイトで買う気はほとんど起きないと思います。

「じゃ、日本のブロガーは?」というと
海外のブロガーほど国内のユーザーに訴求力のあるブロガーは見つけるのが大変だと思います。
(個人的には雑誌モデル以上に訴求力のある日本のブロガーは今はほとんどいない気がします…)

だから、結局日本では、
日本のブロガーも海外のブロガーもあまり起用しない。
海外のブロガーを起用したところは、1-2回だけしてそれで終わります。
で、いつも通り、日本にいるモデルを起用して終わり。

今後のネットショップに求められることなど(まとめ)

ネットショップだけでなく、国内ブランドもそうだと思うのですが、
このままでは国内需要は縮小していく(安い方に流れる)だけだと思います。
(そうなると、今以上にショップ店員の給料は安くなるのではと…)

なので、日本国内だけでなく、海外を視野に入れた展開をしていくべきだというのと
日本人と体系の近いアジア圏に販路を拡大していくのが良いのではと思います。

現状、私から見た日本国内の状態は・・・

村(楽天・Yahoo!など) ⇒ 中には「海外にも送ります」というのをしているが、基本的に海外に住む日本人向け
ショップ・ブランド ⇒ 国内(日本人)のみがターゲット
海外ブロガー ⇒ 日本のモデルで十分(海外を視野にいれていないので、海外への訴求効果は不要)
日本人ブロガー ⇒ 雑誌モデルのほうが訴求力あり

と言った感じで、
現在の日本でブロガーが、活性化していないのには
こういった裏の部分での需要と供給のバランスが成立していないからかなと。
需要がまだ少ないため、表に出ず、また日本でファッションブロガーが紹介されることはほとんどない。
そうなると、日本のファッションブロガーが海外のように表舞台に登場することもほとんどない。
(一部の内輪的な部分だけで活躍(登場?)する感じ)

要するに、「悪循環」ということです。

なので、海外に販路を見出せば・・・

村(楽天・Yahoo!) ⇒ 海外への発信が出来る店舗が増えるよう促す(eBbayのような感じ)
ショップ・ブランド ⇒ 海外も視野に向け、英語など他言語ページ作成(たぶん大手だと2-3人くらい/小規模なとこでも1人英語が出来る人を雇えば出来るはず)
海外ブロガー ⇒ 海外への訴求力があるので起用可能
日本人ブロガー ⇒ 日本でも“ファッションブロガー”の認知度が高まり活性化 ⇒ 特集などでファンが増える ⇒ 日本人/アジアをターゲットとして起用される

てな感じに、「好循環」が生まれるのではと。

こうなれば、「村」「ショップ」「ブロガーのすべてにとってメリットがあるはずです。

そういう意味でも、今回海外ブロガーを起用してサイト自体も英語表記になっている
Randa(英語版)」を皮切りに
今後、様々なサイトが海外を視野に入れた展開をしていけば楽しくなりそうな気がします。

国内にも多くの海外ショップが進出してくれば
きっと否応なしにそういうことになるかもしれませんが
海外勢(SHOPBOPなど)が本格に進出してくる前に
もしくは、ユーザーが海外ショップに流れる前に、
国内のショップなどは、先に海外も視野にいれることを検討しておくべきかなと思います。




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