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ファッションブロガーの衰退


日本で「ファッションブロガー」というのが雑誌で取り上げられていたのは
2010年から2012年くらいが全盛期だったんじゃないでしょうか。
(その頃は日本にいませんでしたが…)

それからも、読者モデルや海外のブロガーが雑誌の記事なんかに載っていたりして
一応ファッションブロガーというのは、まだ下火ながら続いていますし、
もしかしたら、また日本で再燃するんじゃないかと個人的には考えています。
(というか、そうなることを願っています。)

ただ、それも「海外のブロガーが活躍している間なら」というのを加えて。

簡単に言ってしまえば、
海外でファッションブロガー(厳密に言えば個人のコーディネートを載せるパーソナル・スタイル・ブロガー)の人気がなくなれば、日本でもファッションブロガーを今以上に取り上げることがなくなるだろうと思うからです。
海外において、「消費者への発信力や、直接購買へと流すことが出来る求心力のある個人(ブロガー)メディア」という地位が失墜すれば
そこに広告塔としての魅力はなくなりますし、そうなれば投資するブランドや企業は少なく(無く)なります。

ビジネスとして考えると、
ファッションブロガーのコミュニティー全体からすると、
雑誌やファッションメディアなど並ぶ、新しいファッションに触れる媒体の一つとなることは重要なことだと思います。
「ファッションブロガー」というものが
「聞いたことないけど、何それ?」とならないように認知度を高めていきながら、
後発のブロガーたちのためにも今後の発展への土壌を固める必要があるのも確かです。

また、ブロガーからすれば、既存のファンを大事にしながら、新しいファン層の獲得というのがもちろん大事になります。
しかし、私は、1人のブロガーが10年近く絶大な人気を誇るというのは難しいでしょう。
音楽でもそうですが、たとえば、ロックが好きな人がいて、10代のころファンだったロックバンドを、
今でも引き続き聴いているというのはそれほど多くないと思います。
ロックが好きだけど、好きなバンドは、次から次へと移行する人は多いはずで。

ブログも同じで、消費者からすれば
まずあるブロガーが好きになり、そこから、また新しいお気に入りブロガーが出てきて、と
バトンのように、継続的に新しいものを見つけながら、火を絶やさないようにするというのが大事ということです。
また、時代と共に、嗜好と共に変わっていきますし、いろんなジャンルの音楽が生まれたように
いろんなジャンルのファッションに対してのブロガーがいていいと思います。

雑誌もしかりで、昔読んでいた雑誌、今読んでいる雑誌は違うというのが多いのではないでしょうか?
中学の時はこれで、高校になったらこれで、大学の時は、これ読んでたというように、
雑誌自体はずっと発刊されているけど、読者の環境が変わると、次のものへと移り変わるもので
すべてが、同じ(似た)内容なら、きっと「載ってるのって去年とあんまり変わらないし…」ということでファッション雑誌自体への魅力は、時間の経過と共に減っていきます。

ただ、雑誌は今ちょくちょく廃刊や、休刊が出ていますが
今月一番驚いたのが、渋谷系ストリートファッションの「men’s egg」が終ったこと。
(別に読んでたわけじゃないですが…)

それで、気になった記事(インタビュー)があったので。
【「ギャル男絶滅の危機」に警鐘 ギャル男の第一人者が語る「渋谷の変化」とは モデルプレスインタビュー】

「このままでは渋谷ギャル男カルチャーの灯りが消えてしまう」という危機感を抱かれているとのことですが、いつ頃からそのような流れを感じましたか?また、衰退するきっかけは何だったと思いますか?

植竹:カルチャーを発信する読者モデル達が、読者モデルと言う名の「プロのモデル」になってしまった事ですかね。ある程度有名になれば、今や読者モデルで飯が食える時代ですからね。モデルがどんどん高い服やアクセサリーを付けだす事で、読者との距離が出来てしまい、遠い存在に見えてしまう。それが衰退のきっかけかと。自分達の時代は普通のバイトしながら「men’s egg」モデルをしていたので、着用しているものもリアルでした。
http://mdpr.jp/gal/detail/1288686

要するに、読者と同じ視点(感覚)だったモデルたちが
いつしか、人気が出て、収入が上がり、読者の感覚とは違うものになっていったというもの。

これは、ファッションブロガーでも言えることで
(もともと、お嬢様的なブロガーのファン層は特に変わらないかもしれませんが)
ファストファッションのアイテムをメインに、
ブランドアイテムを1-2アイテム程度取れ入れてコーディネートしていたブロガーが
人気が出始め、ハイブランドばかりを身に着けるようになれば、
「ブロガー=消費者とほぼ同じ」という気持ちは薄れ
結局、読者離れと共に、ブロガー全体の衰退につながるのではないかと思ったわけです。

1年以上翻訳をしていると、昔となんだか変わったかな…と思うブロガーや
広告色が強い記事が多くなったな…と思うブロガーが出てきます。
手軽に手に入らない高価なものばかりを身に着けている「向こう世界の人」という感じになってしまうブロガーと言うか。
(もちろん、上手くいけば、高価なブランド嗜好のファン層の獲得につながるかもしれませんが。)

日本でも、カリスマ読者モデル、カリスマ美容師、カリスマ店員などというように
どちらか言えば、消費者側から支持を得て人気を博したものは、流行りと同様に1-2年も経たずに廃れてきました。
(もちろん、今でも支持されている方は多いと思いますが。)

これは、結局、一時のブームの廃れが原因というよりも、
ブームになることで生じる、「手の届かない場所」に押しあがってしまうのではと。

海外からの影響がまだ大きなファッション分野において
欧米から始まったファッションブロガーが廃れれば、
日本のメディアがブロガーにそっぽを向くのは、時間の問題です。

幸い、まだ海外ブロガーの終焉というのは近くないように感じますが
それでも、2年後はどうなっているかわかりません。

今人気のブロガーたちが、次の世代のブロガーへと、得たものをつないでいくコミュニティーのようなものがあれば
新しいブロガーがどんどん出てきて、活性化していけるのではと思います。

そういう意味でも、ブロガーたちが仲良く写真などに写っているのを見るとなんだか嬉しいですし
これからも、ブロガーというものが長いスパンで続いていけばと思っています。

ふぁろすも、特定のブロガーに固執せず
音楽業界でいうアーティストの発掘のように、
ブロガーも火が消えないよう、次へ次へと発掘していくことが必要だなと思ったので
そのことも兼ねて今回はすこし考えをまとめてみました。

もちろん、ファッションだけではないんですが。
「ふぁろすは」ということで。




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